●春編
「さくら」
さくら さくら 野山も里も
見わたす限り かすみか雲か
朝日ににおう さくら さくら 花ざかり
「朧(おぼろ)月夜」
1.菜の花畠(ばたけ)に、入り日薄れ
見わたす山の端(は)、霞(かすみ)ふかし
春風そよふく、空を見れば
夕月(ゆうづき)かかりて、 におい淡(あわ)し
2.里わの火影(ほかげ)も、森の色も
田中の小路(こみち)を、たどる人も
蛙(かわず)のなくねも、かねの音も
さながら霞(かす)める、朧(おぼろ)月夜
「茶摘(ちゃつみ)」
1.夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘じゃないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠
2.日和(ひより)つづきの今日此頃(このごろ)を
心のどかに摘みつつ歌う
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本の茶にならぬ
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●秋編
「虫のこえ」
1.あれ松虫が、鳴いている
ちんちろちんちろ、ちんちろりん
あれ鈴虫も、鳴きだした
りんりんりんりん、りいんりん
秋の夜長(よなが)を、鳴き通す
ああおもしろい、虫のこえ
2.きりきりきりきり、きりぎりす
がちゃがちゃがちゃがちゃ、くつわ虫
あとから馬おい、おいついて
ちょんちょんちょんちょん、すいっちょん
秋の夜長を、鳴き通す
ああおもしろい、虫のこえ
「紅葉(もみじ)」
1.秋の夕日に照る山紅葉(やまもみじ)
濃(こ)いも薄いも数ある中に
松をいろどる楓(かえで)や蔦(つた)は
山のふもとの裾模様(すそもよう)
2.渓(たに)の流(ながれ)に散り浮く紅葉
波にゆられて離れて寄って
赤や黄色の色様々に
水の上にも織る錦
「村祭」
1.村の鎮守(ちんじゅ)の 神様の
今日はめでたい 御祭日(おまつりび)
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
朝から聞こえる 笛太鼓
2.年も豊年満作(ほうねんまんさく)で
村は総出(そうで)の 大祭(おおまつり)
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
夜まで賑(にぎ)わう 宮の森
3.稔(みのり)の秋に 神様の
めぐみたたえる 村祭
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
聞いても心が 勇み立つ
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●夏編
「夏は来ぬ」
1.卯(う)の花の、匂う垣根に
時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ
2.さみだれの、そそぐ山田に
早乙女(さおとめ)が、裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる、夏は来ぬ
3.橘(たちばな)の、薫るのきばの
窓近く、蛍飛びかい
おこたり諌(いさ)むる、夏は来ぬ
4.楝(おうち)ちる、川べの宿の
門(かど)遠く、水鶏(くいな)声して
夕月すずしき、夏は来ぬ
5.五月(さつき)やみ、蛍飛びかい
水鶏(くいな)鳴き、卯の花咲きて
早苗(さなえ)植えわたす、夏は来ぬ
「われは海の子」
1.我は海の子白浪(しらなみ)の
さわぐいそべの松原(まつばら)に
煙(けむり)たなびくとまやこそ
我がなつかしき住家(すみか)なれ
2.生れてしおに浴して(ゆあみして)
浪(なみ)を子守(こもり)の歌と聞き
千里(せんり)寄せくる(よせくる)海の気(き)を
吸いて(すいて)わらべとなりにけり
3.高く鼻つく(はなつく)いその香(か)に
不断の(ふだん)花のかおりあり
なぎさの松に吹く風を
いみじき楽(がく)と我は聞く
「たなばたさま」
1.ささの葉(は)
さらさら
のきばに ゆれる
お星(ほし)さま きらきら
きんぎん 砂子(すなご)
2.五(ご)しきの たんざく
わたしが かいた
お星さま きらきら
空(そら)から見(み)てる
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●冬編
「お正月」
1.もういくつねると お正月
お正月には 凧(たこ)あげて
こまをまわして 遊びましょう
はやく来い来い お正月
2.もういくつねると お正月
お正月には まりついて
おいばねついて 遊びましょう
はやく来い来い お正月
「冬景色」
1.さ霧(ぎり)消ゆる湊江(みなとえ)の
舟に白し、朝の霜
ただ水鳥の声はして
いまだ覚(さ)めず、岸の家
2.烏(からす)啼(な)きて木に高く
人は畑(はた)に麦を踏む
げに小春日(こはるび)ののどけしや
かえり咲(ざき)の花も見ゆ
3.嵐(あらし)吹きて雲は落ち
時雨(しぐれ)降りて日は暮れぬ
若(も)し燈火(ともしび)の漏(も)れ来ずば
それと分かじ、野辺(のべ)の里
「雪」
1.雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ
降っては降っては ずんずん積る
山も野原も 綿帽子(わたぼうし)かぶり
枯木(かれき)残らず 花が咲く
2.雪やこんこ 霰やこんこ
降っても降っても まだ降りやまぬ
犬は喜び 庭駈(か)けまわり
猫は火燵(こたつ)で丸くなる
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